「言いたいことが、うまく言葉にできない…」
本書は、そんな悩みを抱える方に向けて、「言語化力」を鍛える方法を解説しています。
「言語化力」とは何か、どうしたら身につくのか、この記事では、どんな場面でも、「パッと」的確な言葉が出てくるようになるための学びをまとめていきます。
本書の学び
- 「どう言うか」(伝え方)よりも、「何を言うか」(言語化)を磨く
- 自分の意見に、人を魅了する「新しい気づき」があるかが重要
- 問いを立て、自分の考えをA4一枚にまとめる習慣が、言語化力の向上につながる
言語化の重要性-言語化力の本質は何か?
「言語化力」とは何でしょうか?
「言葉にする力」とも言えそうですが、本書では、「モヤモヤを言葉にする力」と表現されています。
言葉にできない状態は、頭の中が整理されていない状態であり、自分の思いがまとまっていないことを意味します。
では、言語化できない状況を想像してみましょう。
- 「どう思う?」と聞かれても、うまく答えられない
- 自分の思いはあるのに、うまく言葉にできない
- 「ぼんやりとしたイメージ」はあるのに、適切な言葉が思いつかない
これらの状況は「何を言うか」が整理されていないため、もどかしさを感じる原因と言えます。
つまり、言語化力とは、曖昧なイメージや感覚を具体的な言葉に変換し、相手が理解・共有できる形で表現する力なのです。
ビジネスやコミュニケーションにおいて、相手は「あなたの意見」を求めています。「そうですねぇ…」と相手の意見に相槌を打つだけでは、相手に「またこの人に聞いてみよう」とは思われません。
あなたの意見に、「質問者が思いもつかなかった視点」や「新しい気づき」があるかが重要です。この「新しい視点」こそが人を魅了し、人を動かす力となります。
確かに、自分が話を聞いてみたいと思う人は、常に自分の考えを持ち、それをうまく伝えることができる人であると感じます。
「この人の言うことには新しい発見や気づきがある」と感じてもらえるようにするためにも、「何を言うか」という言語化力が重要なのです。
言語化を鍛えるメソッド-言語化力を身につけるには?
では、言語化力を鍛えるためには何が必要でしょうか。そもそも、人が言語化を苦手とする根本的な原因は何でしょうか?
それは、「自分が感じたことに気づいていない」ことです。
日々の何気ない日常生活で、自分は何を感じているでしょうか?今日の出来事を思い返してみましょう。
おばあちゃんが木陰で草むしりの一休みをしていた
・暑いのに草むしりしてたのか、熱中症にならないといいけど。
・水分補給はできているのかな、おばあちゃんが草むしりをしなくてもいいのに。
・草むしりって誰がすべきなんだろう
パスタ屋で子供連れの家族がランチをしていた
・子供がいると、ゆったり座れる場所があると行きやすいんだな
・子供でも食べられるメニューがあると安心する
・ドリンクにジュースがあると喜びそう
ドーナツ屋で新作のイチゴ味がよく売れていた
・店前の看板に惹かれて寄って行ったのかな
・男性一人で大量に買ってる、この時を楽しみにしてたのかな
・持ち帰りの人もいるから、家族に頼まれたのかな
日常の中でも、思い返すとこのようなことを感じることがあります。しかし、多くの場合、これらの感覚は意識しないと無意識下に追いやられているのです、
言語化できる人と、そうでない人の違いはどこで生まれるのか?
それは、「自分は必ず何かを感じている」という事実に気がつけるかどうかです。
「気がつく」ことで、言語化の下地が整います。感じたことをそのままにしておくと、それはモヤモヤになり、本当に伝えたいことを的確に言葉にしづらくなります。
では、その無意識を「意識下」に持ってくるには?
大事なのは、自分が考えたことを「とりあえず書き出してみる」という行為です。物理的に書き出したものを客観的に見ることで、気づきを得ることができます。
「瞬時に言葉にできる」状態とは、この「無意識の言葉化」のストックがたくさんある状態です。日頃から言語化する習慣を身に付け、意図的に言語化できる環境をいかにつくれるかが鍵となります。
「無意識に感じていること」を次々に言葉にすることで、「あなた独自の視点」を反映した「深い言葉」をたくさんストックできるのです。
次の章からは、具体的なトレーニングの方法をまとめていきます。
言語化の実践と応用
言語化のトレーニングでは、A4一枚に1日3枚のメモを書くことを推奨しています。
1枚あたり2分の制限時間を設けることで、瞬時に言語化する力を鍛えることができます。
日常生活の中で問いを立て続けることで言語化力が向上し、必要なときに必要な言葉が瞬時に出てくるようになるのです。
実践
①A4コピー用紙を「縦に」使用する
②一番上に「問い」を大きく書いて四角で囲む
③メモを2分割して「思考」と「理由」に分ける
④まずは「思い浮かんだこと」を一行書いてみる
⑤一行書いたことを深掘りする「芋づる式言語化思考法」
⑥「思考」の最終行から「理由」を書き出す
応用
①「同じ問い」や「言語化した思い」をさらに深掘りする
②同じ問いに「別角度で」取り組む
③あえて「反対意見」を考える
経験を通じた言語化力の向上
言語化力をさらに磨くためには、自分の経験を振り返り、それを言語化することが重要です。
経験を「できごと」と「感じたこと」に分け、それを言葉にすることで、独自の視点を持った深い言葉をストックできます。
このプロセスを通じて、自分の意見や感情をより的確に表現できるようになります。
言語化のステップ
①「できごと」を思い出す
②「感じたこと」を書く
③「感じたこと」を伝わる言葉で表現する
大事なのは、そこに発言者自身の思いや意見がしっかり存在していることです。
さらに伝わりやすくするために、以下のステップを踏むことで、言語化が一層磨かれます。
①メモに書き出したあなたの思い・意見を「グループ化」する
②できるだけ「端的な言葉」にする
まとめ
『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』を通して、言語化力を鍛えるメソッドを学びました。
日々の生活で問いを立て、「頭に思いついたこと」を次々とA4一枚に書いていく。「1枚2分」の短い制限時間内で「素早く」書く。1日3枚で終わらせる。
この「言語化力トレーニング」を毎日の習慣とし、言語化力を向上させていきたいと思いました。
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